家庭教師の目🌱

プロ家庭教師歴31年のなっきー先生が語る「子どもがのびのび学ぶ天才」になる秘策

ここまで書いちゃっていい?個別指導のチェックポイント【中学受験・家庭教師】

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「よ~く考えよう」@高山 photo by NACKY

家庭教師のNACKYです。

今日は個別指導のチェックポイントについてお伝えします。

個別指導には大きく分けて2つのタイプがあります。

1つは、私のようにご家庭に伺う家庭教師。
もう1つは、個別指導専門塾や、
大手塾が併設する個別指導部門です。

家庭教師は先生がご家庭に伺うので、
「どんな先生」が、「どんな指導」をしているのか、
親御さんも把握しやすいと思います。

一方、生徒が塾に出向く個別指導の場合、
「どんな先生」かは最初に紹介されるものの
(されない場合もあります)、
「どんな指導」をしているのかは、
なかなか見えてこないのではないでしょうか。

これは、とても危険なことです。

ある年の11月末に、
私立トップ校を受験したいという小6の生徒さんのご家庭から
算数の家庭教師の依頼を受けました。
受験まで残り2か月半を切っていましたが、
その生徒さんは、
某有名チェーン塾の個別指導に通っていましたので、
当然ながら基礎的なことはできているだろうという
認識で伺いました。

ところがその生徒さんは、
学校の勉強はよくできているにもかかわらず、
いわゆる「中学受験の算数」は全くできない状態でした。

そこで、塾で使っているテキストを見せてもらうと、
なんと、5年生用の、
それも受験用ではない問題集を使っていました。
算数のノートも見せてもらったところ、
基本中の基本である線分図も面積図も一切ない、
式がずらずら並んでいるだけのノートでした。

中学受験に関してまったくの素人が教えていることは、
テキストからもノートからも一目瞭然でした。

そこで私は思い切って、
「算数は私の方で進めますので、
塾では理科と社会を教えていただくように
変更していただけませんか。」
とお母様にお願いしました。

理科と社会に関しても、問題集と、
いつどこをやるかのカリキュラムはこちらで用意します、
とお伝えしました。

すると驚いたことに、その塾では、
算数から理社に教科を変えたにもかかわらず、
なんと先生はそのまま、でした。

それでも、失礼ながら算数の指導がひどかったので、
実は理社の方が得意な先生なのかな、
とわずかながら期待しました。

ところが…

私が用意した社会のテキストを広げたときの
その先生の第一声が、

「え?今小学生でこんな難しいことやるの?
先生はこれ、中学校で覚えたなあ~。なつかしいなあ。」

だったというのです…。

いや、このテキストは「標準レベル」で、
受けようとしている学校は
もっともっと深いところまで出るのですが。
そんなことも知らずに受験生受け持ってるんですか?!

と突っ込みたかったです、ほんと。

すべてのチェーン塾がそういうわけではないのでしょうが、
個別指導というのは先生によるところが大きいのが実情です。

ですから私が自分の子どもを塾に入れるときは、
必ず担当の先生が「プロ」なのか「学生」なのかをチェックします。
学生の先生がメインで教えている塾には入れません。

もちろん学生の先生の中にもいい先生はいます。
でも、学生の先生たちにとって、
家庭教師や塾講師はあくまで「アルバイト」です。
トータルプロデュースまではなかなかしてくれません。
地方出身の先生の場合、
夏休みや年末年始に帰省してしまう可能性もありますし、
自身のテストやレポートに追われて「アルバイト」どころでは
なくなってしまうケースも少なくないです。

そうは言っても学生の先生とプロの先生とでは
料金が数倍違いますから、
うちは学生の先生でいいわ、という場合は、
その先生自身が中学受験をしているのかどうか、
またはその教科に関連する学部に所属しているかどうか、
をチェックするとよいでしょう。
(ただし、中学受験はしていないけれど、数学は得意、
という先生はかえって危険です。
この話はまた別の機会に詳しくしますね。)

それらの情報が得られない場合は、
学生の先生を育成する研修制度はあるのか、
学生の先生が帰省や自身の勉強のためお休みする際は
受験に対応できる代講者を用意してくれるのか、
などを確認しておくといいと思います。

1対1の個別指導は、
うまくいけば最短で生徒の能力を伸ばせる贅沢なシステムです。
そのためにも、任せっぱなしにするのではなく、
しっかり先生や授業の質を見極めてから利用してくださいね。