→「それって本当に子どものため?裏口入学に思うこと」はこちらです。
家庭教師のNACKYです。
だいぶ前の話になりますが、
ある人気中堅女子中学校を第一志望とする生徒さんを
同じ年に2人教えていることがありました。
(家庭教師ですので、両者は全く知り合いではありません。)
Aちゃんは、模試でコンスタントに合格判定80%以上を出していました。
Bちゃんは、合格判定40~50%の微妙なラインでした。
Aちゃんのお母様は、同系列の女子大出身でした。
Bちゃんのお母様は、系列とは全く関係のない短大出身でした。
Aちゃんのお母様は、入学願書の親の学歴欄に
その女子校の系列大学の名前を書きました。
Bちゃんのお母様は、もともとキリスト教徒でしたが、
その女子校の宗派(かなり細かく枝分かれしているらしい)に乗り換え、
お父様の人脈をたどってその女子校の校長先生に
何度も直接「ご挨拶」しにいっていました。
ちなみにこの女子校の募集人数は、かなり少なめです。
入試の結果はどうだったと思いますか?
Aちゃんは不合格、Bちゃんは合格、でした。
私はとても複雑な気持ちになりました。
話は変わります。
かつて、超難関女子校の校長先生に
かなり近しい親戚のお子さんを教えていたことがありました。
とてもできるお子さんで、
国立から難関校まで多数受かりましたが、
残念ながらその超難関女子校には受かりませんでした。
この女子校は、校長先生のお子さんでさえも、
姉妹で明暗が分かれた、と聞いています。
身内と言えども一切の上乗せ等なく、
公正に合格者を決めている証拠でしょう。
いや、本当は、「当たり前」の話なんですけどね。
前者の人気中堅女子校は、
不公平な入試を続けたからかどうかは分かりませんが、
(そもそも外部の人間には知る術もないのですが、)
その後じわじわと偏差値を下げていき、
すっかり人気も落ち込んでしまいました。
一方、後者の超難関女子校は、
数十年にわたって「名門」「超難関」であり続けています。
「ちょっとぐらい」の加点や「1人ぐらい」の不正合格も、
積もり積もれば生徒の学力レベルの低下につながります。
それは偏差値の低下につながり、人気の低下につながります。
「不正入試」は子どもにとっても学校にとっても、
長い目で見たらよい影響は少ないのではないでしょうか。