我が家のベランダの桜が今年も花を咲かせました。
7~8年前、実家の父が拾った種から育て、
苗の状態で我が家にやってきた桜です。
一昨年くらいから、ようやく花を咲かせるようになりました。
特別なことは何もしていません。
朝、洗濯物を干すときに、あまりにも土が乾いていたら、
放っておいてごめんね、喉カラカラだよね、
と心の中で謝りながら水をあげる、
その程度のお世話しかしていません。
それでも、年々背が伸び、枝が増え、葉がしげってきて、
そしてついに一昨年、たった2つか3つですが、
初めて花を咲かせました。
水やりを小まめにせっせとやっていれば、
もっと早くに木になっていたかもしれません。
栄養剤をしっかり与えていれば、
もっと早くに花を咲かせたかもしれません。
でも、桜は桜自身のペースで、桜自身の生命力で、
ゆっくりゆっくり成長し、花を咲かせました。
そんなことを考えているうちに、
ふと、子育ても、
これに似ているんじゃないかな、と思いました。
もちろん、子育ては相手が人間ですから、
土がカラカラになるまで放っておいてはいけませんが、
先回りして、過度なお世話をしなくても、
子どもには子ども自身の、自ら成長していく力や
花開くタイミングがあるのではないかな、と思うのです。
大切なのは、待つこと。
早く花が咲かないかな、今年こそは咲いてほしいな、
と過度な期待をしない。
今年こそは咲かせなきゃ、私がなんとかしなきゃ、
とコントロールしない。
手はかけすぎないけれど、心はいつでもそばにいて、
必要なときはしっかり手を差し伸べる。
そして、いつか花が咲く日が来るのを信じて気長に待つ。
いつも見守ってくれているという安心感があれば、
子どもはのびのびと、その子らしく育っていくはずです。
今年、我が家のベランダの桜はたくさんの花を咲かせました。
来年も、桜自身のタイミングで花開く日を、
楽しみに、でも期待せずに、
のんびり待ちたいな、と思います。