家庭教師の目🌱

プロ家庭教師歴31年のなっきー先生が語る「子どもがのびのび学ぶ天才」になる秘策

算数の単元別テストはできるのに総合問題ができないのはなぜ?【中学受験・家庭教師】

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「目覚める」@戸隠キャンプ場 photo by NACKY

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家庭教師のNACKYです。
※久しぶりの先生ブログです。

中学受験の算数には、特殊算だけでもものすごい種類がありますよね。

定番の、和差算、つるかめ算、平均算くらいなら
中学受験を知らない人でも聞いたことがあるかもしれまんが、
植木算、仕事算、年齢算、倍数算、分配算、過不足算、差集め算、
相当算、売買損益算、方陣算、暦算、ニュートン算…
そして、速さ関係だけでも、旅人算、通過算、流水算、時計算…と、
把握しきれないほどの「○○算」があります。
中学受験をしたことがない人からしたら、
ニュートン算?は?なにそれ?」といった感じですよね。

「○○算」として単元別に勉強していると、
その単元の典型的な解き方の「パターン」が見えてきます。
和差算だったら、線分図を書いて、
この数とこの数を引いて2で割ればいいんだな、
過不足算なら、面積図を書いて、
余りと不足を足したものをこの数とこの数の差で割ればいいんだな、
通過算は、トンネルと電車の長さを足して、
速さで割ればいいんだな、などなど…。

○○算はこの線分図、○○算はこの面積図、といったように、
徹底的に「パターン化」して覚え込ませる先生もいます。

もちろん、長年にわたり編み出されてきた最適な解き方ですから、
線分図や面積図は大いに活用するべきです。
でも、「パターン化」して覚え込むのは、私はお勧めしません。
なぜなら、当然ですが、テストでは、
問題にいちいち「○○算」などとは書いていないからです。
それでも、一行問題くらいまでなら対応できるでしょうが、
総合問題ともなれば、複数の単元にわたって出題されたりしますので、
「パターン化」では通用しなくなってくるのです。

模試などで解けなかった問題の解説をするとき、
「これは○○算で解けるよね。」とヒントをあげると、
「あ!そうか。」と途端にすらすら解けるお子さんがいますが、
それだと「○○算」を見分けられなければ、
その問題はアウトですよね。
このように、単元別テストではよくできても、
模試などの総合問題になると途端に解けなくなるのは、
「パターン化学習」がもたらす弊害とも言えるでしょう。

線分図にも面積図にも、それを書く「理由」があります。

なぜこの線分図なのか。
なぜこの数とこの数の差で割るのか。
この面積図の縦と横は何を、面積は何を表しているのか。

私が生徒に指導するときは、
この「なぜ?」「何?」をとことん追及します。
正しい図が書けていても、正しい答えが出せていても、
この「なぜ?」「何?」に答えられないと、よしとはしません。
深く考えず、自動的に覚えている解き方でなんとなく解けても、
その後の伸びにはつながらないからです。
※こう書くと厳しい先生だと思われそうですが、
口調はとってもソフトですよ(笑)。

逆に言うと、根っこの部分をしっかり理解していれば、
何算か見分けがつかなくても、
自ずと線分図なり面積図なりが浮かんでくるはずです。
それは、習った通りの図でなくてもかまいません。
しっかりとした「根拠」に基づいて導きだした道筋や答えなら、
自己流の図でも、自己流の式でも、それは「大正解」なのです。

この、「根っこ」にこだわって指導を続けていると、
算数はシナプスのようにどんどん横につながっていきます。

そして、算数全体の土台ができあがっていきます。
そうすると、初めて習う単元でも、すんなり頭に入るようになり、
ぐんと算数力がつくのです。

この力は、中学へ行っても、高校へ行っても、確実に役に立ちます。
もともと算数が苦手だからこそ家庭教師を頼んだお子さんが、
算数好き、数学好きに変わっていく姿をたくさん見てきましたので、
確信を持って言えます。

夏休みは今までやってきたことの総復習をする絶好の機会ですが、
ぜひ、単元を「縦に掘り下げる」と同時に、
単元どうしを「横につなげる」ことも意識して取り組んでみてくださいね。

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