家庭教師のNACKYです。
5月下旬、生徒たちの中間テストシーズンがやってきました。
昨年度中学受験を一緒に乗り越えてきた中1の生徒たちにとっては、
「初めての定期テスト」です。
緊張してそわそわしている子、
どう勉強したらいいか分からず戸惑っている子、
不安でいつもの元気がなくなっている子など…
反応はそれぞれですが、どの子も、
「小学校とは違うんだな」という空気を感じている様子です。
さて、そんなお子さんに対し、
「これは暗記だから、覚えてしまえばいいだけだよ。」
「なんで覚えるだけなのに、やらないの?」
と言う親御さんが、結構います。
親御さん自身が、暗記が得意だった、
あるいは暗記が苦にならなかった方だと、
なぜやらないのだろう、なぜできないのだろう、
と理解に苦しむかもしれません。
暗記は得意ではなかった、という親御さんでも、
何度かテストを経験していく中で、自分なりの覚え方を見つけ、
うまく暗記科目を乗り切ってきたのかもしれません。
でも、子どもにとっては、その「覚える」が結構難しいのです。
もしも暗記が「覚えてしまうだけ」の簡単な作業だったら、
みんなすらすら覚えられるでしょうし、
暗記メインの科目なら誰もが合格点を取れてしまうでしょう。
でも、実際はそうではありませんよね。
もちろん、中には暗記が得意なお子さんもいますが、
大抵のお子さんは、暗記が「苦手」と思っています。
客観的に、普通に暗記できているお子さんでも、
「暗記は嫌い」と口にすることが少なくありません。
それが「初めての定期テスト」ともなれば、
何をどうやって覚えたらいいのか、
さっぱり分からなくてもおかしくないのです。
ですから、大事なのは、「覚えてしまいなさい」ではなく、
「何を」「どうやって」覚えたらいいかを整理することです。
例えば中1の理科の最初の範囲である植物の単元だったら、
種子を作るか(種子植物)作らないか(シダコケ類)、
種子植物なら胚珠は子房の中か(被子植物)むき出しか(裸子植物)、
被子植物なら子葉の枚数は2枚か(双子葉類)1枚か(単子葉類)、
また、葉脈の形は網目状か(網状脈)平行線か(平行脈)…
と、○✕クイズのようにして覚えていけば、頭に入りやすくなります。
そうやって、まずは「体系的に」理解する。
そして、それぞれのカテゴリーにある代表的な植物を、
資料集の写真や絵(できるだけカラーのもの)を見て、
「視覚的に」確認する。
(もちろん実物を見ることができたら理想的です。)
このようなステップを踏んでいけば、
ぼんやりと「覚えられない…」と思っていたものが、
だいぶ覚えやすくなるはずです。
そして、そのように「体系的」かつ「視覚的」に覚えたものは、
記憶に定着しやすくなります。
ただやみくもに暗記しても、
テストが終わったらすぐに忘れてしまうようでは、
「暗記なんて何のためにするのだろう」
とますます暗記が嫌いになってしまい、
次のテストでもモチベーションが上がりません。
せっかく覚えたのに、もったいないですよね。
大人には難なくできることでも、さかのぼれば、
そこに至るまでにいろいろな努力や工夫があったはずです。
中学生ともなると、体は大人並みになってきますが、
中身はまだまだ発展途上。
できないことがたくさんあって当たり前です。
暗記に限らず、「何でできないのかな…」と思ったら、
ご自分が習得するのに苦労したことを思い出してみてくださいね。
皆さんがテストで力を発揮できるよう、応援しています!