先日中1の生徒さんと取り組んだ国語の教材に、
相田みつをさんの「トマトとメロン」という詩がありました。
要約すると、こんな内容です。
トマトよりメロンの方が高級、というのは一部の人間の価値観。
それぞれがそれぞれの命を精一杯生きているだけ。
それを比べて、競争させるのは、当事者にとってはいい迷惑。
メロンになれ、お金になるメロンになれ、と尻をひっぱたかれて、
ストレスを溜めているトマトがいっぱいいるはず。
人間を「トマト」と「メロン」に例えているわけですが、
中1男子には訳が分からなかった様子😁
「トマトとメロンはそりゃ違うよねえ。変な詩だね。」と、可愛い感想😊
そこからたとえ話を交えてじっくり深掘りしました。
仕事柄、教育熱心なご家庭に多く伺います。
確かに教育にお金をかければかけるだけ、一定の効果はあります。
(もちろん方向性を間違えていなければ、です。)
実際、私の生徒さんも、偏差値10、20上がることは珍しくありません。
でもそれは、分からなかったことが分かるようになること、
できなかったことができるようになること、が楽しいからです。
そして、それを認めてくれる人がいるからです。
メロンになれと尻をひっぱたかれたからではないのです。
楽しくもないのに、ただ苦しいだけの勉強を、
自ら率先してやるお子さんがどれだけいるでしょうか。
「トマト」を「トマト」として受け止めて、
ありのままを受け入れたとき、
その子の個性がきらきらと輝き出していくのだと思います。
それがたとえ親御さんの理想と違っても、
それはそれでいいではないですか。
どんな風に育つのか予想もつかない、
それはそれで楽しいですよね。
親の理想=子どもの幸せ、とは限りません。
自分の価値観にとらわれず、
関わる子どもたちの心の声に耳を傾けられる大人でありたいなと、
私自身も改めて思いました。
トマトにねえ
いくら肥料をやったってさ
メロンにはならねんだなあ
トマトとね
メロンをね
いくら比べたって
しょうがねんだなあ
トマトより
メロンのほうが高級だ
なんて思っているのは
人間だけだね
それもね
欲のふかい人間だけだな
トマトもね メロンもね
当事者同士は
比べも競争もしてねんだな
トマトはトマトのいのちを
精一杯生きているだけ
メロンはメロンのいのちを
いのちいっぱいに
生きているだけ
トマトもメロンも
それぞれに 自分のいのちを
百点満点に生きているんだよ
トマトとメロンをね
二つ並べて比べたり
競争させたりしているのは
そろばん片手の人間だけ
当事者にしてみれば
いいめいわくのこと
「メロンになれ メロンになれ
カッコいいメロンになれ!!
金のいっぱいできる メロンになれ!!」
と 尻ひっぱたかれて
ノイローゼになったり
やけのやんぱちで
暴れたりしているトマトが
いっぱいいるんじゃないかなあ
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